「億の近道」 2005/02/22 ■コラム「連載 マーケットを切る!」 ■要点: 今週のキーワード “A bull market tends to bail you out of all your mistakes. Conversely, bear markets make you PAY for your mistakes” by Richard Russell (Dow Theory Letters) ■潮流の変化を読む“その1 −Active Vs Index:アクティブファンドに資金シフトバック。2003年春に起 こった「代行返上売り」から丸2年。 Mr. Marketがあざ笑うかのように2003年以来「アクティブファンド」優位の状 況が続いている。Morningstarの騰落率データを見ると、2000年:アクティブ ファンド:‐25.44%、TOPIX型インデックスファンド:-24.69%、2001年: ‐19.39%対-19.30%、2002年:-17.97%対-19.30%、2003年:+25.77%対 +24.13%、2004年1‐11月:+5.89%対+5.71%。 過去10年中6年は、アクティブファンド優位な展開。2003年のアクティブファ ンドの最高パフォーマンスは+72%対TOPIX型+25.2%、ワースト:‐15.9% 対+21.5%。 インデックス化を推進した年金基金の手元に3年前の判断(ITバブル崩壊によ りバランスの取れた運用が叫ばれた2001‐2002年)に対する反動がこの4月く らいから本格化(浮動株ベースのTOPIX算出時と重なる)するかも知れない。 *2003年春の代行返上による売り物(中小型株、例えばシマノ(7309)など) を拾い集めた投資家は、Excessリターンを得た(2年で2倍)ことは意外と忘れ 去られている(世界のオンリーワン企業が大バーゲンだった)。 ■ブランド価値追求−Robert Mondaviの哲学から学ぶ デフレからインフレへの変化で1%値上げするためにどうすれば良いか世界の 多くの経営者は真剣に悩んでいる。 資産運用者や個人富裕層も同様だと思う。 例えば、SAKS Incorporated (SKS), Saks Fifth Avenueなどデパート中心の小 売業を展開している。 同社が2月8日にデパート部門の売却を示唆。 株価が1週間で14.58から15.89、約9%上昇。 中間所得者層を中心とした「デパート」から「ブランド力を生かしたLuxury GoodsとOutlet」に特化する方針。 フランスのPPR (Pinault-Printemps-Redoute: PP FP Equity, Gucci, Yves Saint-Laurent, Bottega Veneta, Sergio Rossi, Balenciagaなどを運営して いる持ち株会社。 昨年同社の幹部に東京で会う機会があり、「今後、Gucciは、普通の人が買え ないくらいのステータス商品にする」明言。それから数週間後、$3,000を越 えるような財布が発売された。 最近、100万円を優に越えるバッグも登場。「Bottega Venetaは靴のエルメス を目指す」といっていたが「あのメッシュ状の皮が目印だ、何処にもブラン ド名は書いていない」靴が数十万円。今にして思うと、普通のOLさんから セレブな層へのシフトを宣言していたのだろう。当然、PPRの株価は、YTDで 13%上昇。COACH(COH)は、日本のOLさんに気軽に持ってもらいたいそうだ。 ソニーが「クオリア」、トヨタが「レクサス」をステータスシンボルとしての ブランドを狙っているのは明らかだ。価格帯を引き上げる戦略に出ている。 カリフォルニアワイン:歴史はそれほど長くないが、過去10年でブランド力を 高め(ナパ、ソノマという地名はよく知られるようになった)価格を引き上げ に成功した商品として筆者は注目している(80年代には殆どバーゲン品として の価値しかなかったと記憶している)。 歴史を遡ると、1976年パリのティスティングでNo1とNo2を取ってから欧州でそ の地位が認められはじめた。当時有名なフランス人ソムリエ2人がブラインド テストで、カリフォルニアワインをフランスの5大シャトーワインと間違えた ことから、当時パリ大変な騒ぎに発展した。 そのカリフォルニアワインのブランド価値をここまで高めた人物こそRobert Mondavi氏(現在90歳を超える)である。 Value/Robert Mondavi:現在はOpus One(加州ワイン)の代表作2000年もので 3万円を少し超える−都内小売店)は、フランスの5大シャトー(CH Latour, Margaux,Mouton Rothschild, Haut Brion, Lafite Rothschild)と並んだと 言える。ワインは、「種、気候、土壌の質」が3要素。醸造技術や保管(樽か ステンレスタンクかでも違う)技術で更に風味などが代わる。 気候が安定したカリフォルニアに比べフランス産ワインの出来、不出来は、そ の年毎に大きく違う。不作だった年は算出量が少なく、市場評価は低く価格も 安くなる。 年々作付けが増えるカリフォルニアワインの中でブランド価値を世界の第一級 に高め、質・値段をここまで引き上げた功績は大きい。Opus oneのシャトーで リーデルのワイングラス1杯が$25。 安いと思うか高いと思うか、ご自身で試されたい。 Why: 様々なエピソードがあるが、スタンフォード大学を卒業した彼は、それ まで樽で販売されていたワインを自分たちでボトリングして販売するようにし た。マーケティングについても彼はある一工夫した。ある時彼は、ニューヨー クのレストランで自分のワイン(Opus One)を全部買い取り、店のソムリエに ハウス(レストラン)からのサービスとして居合せたレストランの客全てに1杯 ずつ配った。これを有名なレストランで何度と繰り返した。ニューヨークの高 級レストランには世界中からの著名人が多く訪れる。其処で「このハウスワイ ン」が美味しいと思えば、舌の肥えた客は、「このワインは何処の、何という ワインか」と聞く。かくして著名人に知られるようになった。造り手の生産量 はある程度一定だが、当時この新興ワイン(Opus One)を賞賛したのは、物の 価値を見出すことの出きるその道の達人であり著名人である。 生産技術・管理:有名になりお金を手にした彼は、University of California Davis(UC Davis)に多額の寄付をして農業、特に葡萄の品種改良、生産技術 革新に貢献した。 例えば、ステンレスの樽を使うことを考案したのも彼だと聞く。木製の樽に比 べ温度と湿度の管理がし易く、品質管理を徹底することができる。フランスの ワイン造りの手法は、一般的に過去10年、20年で殆ど変化がないと言われる。 5大シャトーの作り手は、様々な慣例に縛られ生産革新 (innovation) が出来 ない。フランスのワイン資本家は、業を煮やし「新世界」へと渡る。チリ、ア ルゼンチン、オーストラリア、南アフリカ、旧東ヨーロッパ、そしてカリフォ ルニアなどに進出している。 物真似は困難: Robert Mondaviの成功例についての書籍は山ほどあり、ワイ ンビジネスへの参入は昨今では珍しくない。ある著名映画監督がワイナリーを 経営(収益的には厳しいと地元の人は囁く)、日本の富豪も参入しているが、 労働集約的で白ワインを初出荷するまで約3年、赤ワインだと7‐8年かかるビ ジネスを成功させるには多額の資本と忍耐が必要。多くの富豪がワイナリー経 営に失敗している。但し全体の作付けは増加している。 日本の知恵?:ある人から聞いた話だが、Mondavi氏、日本の果物造りにヒン トを得たと聞く。日本の果物が「世界一美味しい」理由は、徹底して「間引 く」ことにある。日本の農業の生産性が低く、値段が高いと嘆く人がいたら、 アメリカのスーパーで果物「特にイチゴ、リンゴなど」買って食べるとその 「差」は歴然としていることに気づく。Opus Oneは、1本の木から14フサしか 採らない。つまり1エーカーで2トンしか採れない。5品種をブレンドして作ら れている。ある新興ワイナリーは、1エーカーで1トンにして品質を上げる努力 をしていると聞く。 Robert Mondaviの事例から学ぶもの:一言では言い表せないが、市場シェア、 価格、収益性、経営哲学、資本効率、マーケティング手法、それぞれのベクト ルが一般のビジネス解説書には書き表せ難い。資産運用の世界にも通じるもの があると筆者は思う。ここであえて「解」を書かないことにしておこう。 投資へのインプリケーション:原材料価格が高留り、今後もじり高が予想され る中で、企業価値(ブランド価値を重視、品質、サービス、従業員のモラル等、 特徴のあるビジネスモデルを持つ)を高めることの出来る企業に投資すること。 日本には、世界から賞賛されるべき企業が割安な価値で放置されている。 事業価値、資産価値、ブランド価値、従業員の質、同じ尺度で測れば、 「Screaming Buy」の銘柄も多い。埋もれた価値を再考する時間は、まだ十分 にある。90年代半ばに小規模ながらその投資尺度を信じて投資してきた某ファ ンドが時々話題になるが、投資の機会は均等にある。大型主力株にも十分その チャンスがある。ただ最近のセルサイドのレポートには、決算プレビューとフ ォローのレポートばかりが目立ち、「企業の本質的価値の変化」について十分 な考察がなされていないように感じる。四半期決算の弊害かもしれない。 ■変化の潮流―その2:コモディティ、Commodity-ヘッジは効かない/ないも のは決済できない 多くの市場関係者は、Commodityに対する認識が間違っているように思う。一 例、コーヒー豆の価格暴騰。11月から約アラビカ種が+60%上昇、ブラジル産 の作付けが問題視されていたが、最大の理由の一つがAceh、スマトラの地震に 影響があった。Indonesiaのコーヒー輸出業者の一部は、コーヒーの先物取引で DefaultしているとWall Street紙では報じている。Aceh(スマトラ島)ではイ ンドネシアのアラビカ種の約40%を生産。12月26日の津波の影響でコーヒー園 と生産労働者が失われた。年間平均3万トン、10‐15%のインドネシア産コー ヒーが米国に輸出される。コーヒーは生活必需品ではないが、コモディティと 金融商品との違いを認識する好例と言える。 世界のコーヒー消費は2004年推定60キロ入り袋換算で113.7 million、2003年 とほぼ横ばいに対し2005−2006年の世界の生産は、107 millionにまで減少す るとあるInternational Coffee Organizationは指摘する。世界最大のブラジ ル産コーヒーの生産は、2005‐2006年30.7-33 million bag,2003-2004が38.6 million。何か事件が起こると需給のアンバランスが報じられるコモディティ だが、金融商品との違いは、「ないものは決済できない」。例えば、ドトール コーヒー(9952)は、6‐9ヶ月先までコーヒー豆をヘッジしているそうだが、 コーヒー豆は6‐9が月で失われたインドネシア産分のアラビカ種を生産するの はほぼ不可能。先物で買いつけしていても、物がDeliveryされなければどうに もならない。ある種のSupplyショックだが、コモディティとはそのようなもの である。為替、株式、債券などの金融商品の先物決済とは次元が違う。 ■1.Technology Insight/21世紀の新技術−話題性多いが「熱くならないこ とが重要」 21世紀の技術革新−株式市場は、冒頭の格言通り「夢追い人」で溢れている。 相場いい時は、よりポジティブ志向になり、逆に悪い時は、企業の倒産価値ま で織り込みにいく「悪夢を想定」。20世紀にはまだ開発段階にあった多くの技 術が実用化されるのが21世紀だと信じられている。電気自動車、蛍光灯や白熱 灯から次世代商品へのシフト、エネルギー効率が極めて高い製品が次々と開発 されていく。しかし、量産技術、製品価格と需給の問題から常に大きなボラテ ィリティにさらされる。一例を挙げると、田中化学(4080)が2月14日に3Q決 算発表と同時に通期業績下方修正を発表(2005年3月期の経常利益見通しが、9 億円から5億円、EPSが49円予から30円に修正、コバルトなどの原材料価格の上 昇が原因、四季報では業績上振れを匂わす表記が書かれていたが)。直前の11 日引け値の1,900円から18日引けの1,727まで約10%の株価下落。こちらもコモデ ィティ価格による業績変動だが、リチウムイオン電池が車に搭載されると信じ る投資家には「買い場」かもしれない。問題は、Duration。どの時点で本格的 に電気自動車、ハイブリッド車に搭載されるのか「プレミアム」が付いた株価 形成が当面続くことになろう。 筆者が現在調べているのは、次世代照明技術。2月8日に松下電工がLEDを使っ た照明器具を発表。既に04年11月期に売上42億円、06年度には100億円を目指 す。4万時間の長寿命で40ワット、300ルーメンの明るさを実現、従来の白熱 灯に比べ消費電力が37%少ない。但し価格は8万円(40ワット白熱灯なら1つ 100数十円)。10年間交換しなくてもよいため1年に一度交換するのに1万円 (人件費、車両通行止めなど)近くかかるようなところにある白熱灯よりも安 いことは確かであるが、一般家庭にはまだ当分お目見えしない。白色LED価格 (大口取引価格)が1‐3月期前期比10%程度下落している。日亜化学とCree (CREE Equity)社がクロスライセンスを結び、中村教授と日亜化学との間でも 特許に関して和解が成立している。LEDが様々なところに利用されはじめてい る。日本、韓国、台湾のLEDチップ組みたて企業(素子を日亜、CREE、豊田合 成から購入、若しくは見様見真似? )は収益的に大変なところも多いが用途 拡大傾向にあることは間違いない。 ■2. 投資へのインプリケーション:CKD(6407)Y756、PER:11倍、時価総 額:487億円、EV/EBITDA:6倍 同社を注目する理由の一つ:特許公開番号2004‐192833、LED照明装置、LED照 明装置の製造装置、及びLED照明装置の製造方法。詳細については特許庁のホ ームページで要確認。下記のURL若しくは、 http://www.ckd.co.jp/japanese/index.htm (同社ホームページ) 製品の詳細については会員のみへの公開(素晴らしい情報管理)。愛知県の会 社同社は、包装機器などの製造で有名であるが、現在成長商品CCFL(液晶用バ ックライト)の製造装置を手がける。CCFL(冷陰電極管、液晶用蛍光灯、17イ ンチのPCモニターであれば6本程度使うが、32インチの液晶テレビでは20数本 使う)の製造装置、鉛はんだを使わない製造装置、検査装置など今後の成長分 野を手がける。同社が、次に手がけるのは、LED照明装置の製造装置である。 40WのLEDランプが8万円だが、その10分の1になるかどうかは、最早素子の入手 価格よりもLED照明装置による生産性にかかっていると言えよう。 ■3.大型ハイテク株−例、ソニー 今は昔?プライドを捨てるな トリニトロンを出したソニーのTVは、米国で20 ‐30割のプレミアム(他のメーカーの同じサイズなら20‐30割は高く、Quality of moneyがアピールできた)がついていた。この10年で大きく変わった。日本 の量販店でSONYを指名買いする人は減り、FP−TVでは、Panasonicの Veriaやシャープの液晶TV(亀山工場製を指名する人がいる)。ソニーの新ブ ランドQualia、ソニーショップ(米国)の横に別格として販売されている。品 質に差別化が難しいと言われるデジタル家電の分野でステータスを追求しはじ めた。成否は、数年後に決まる。「誰もが持てないQualiaブランド、持つこと にステータスが付くか、単なる高い買物になるのか」ソニーがRobert Mondavi が造ったような「価値」をデジタル家電の分野で世界の新興富裕層及び富裕層 にアピールできるかどうか。目先、ソニーのCB#4、90年2月14日発行の3,000 億円、Coupon:1.4%、転換率がわずか4.1%、3月30日に償還を迎える。どの ような手段でリファイナンスをするか市場関係者で一時話題になったが、最近 ではソニーそのそのものに対する興味が市場で消えた(年初の業績下方修正、 いつも市場関係者に「緊急ミィーティング」と称して招集)。前回はさすがに 同社関係者を除くと数十名だったと聞く。これは、「Bellwether」だと思う。 ゼロクーポンに借り替えただけで年間42億円(たった1千億円程度のOPしか産 まない企業にとって4.2%の増益効果)。最早、Cell搭載のゲーム機(PSIII) やソニーのTVに対して期待を持つ投資家は、筆者の知るところ皆無。 ソニーのQualia見学、 http://www.sony.jp/products/Consumer/QUALIA/jp/index.html 「トリルミナス」画像処理チップ搭載、店頭に行って「ソニーの復権」を少し 感じた。*ラスベガスのベネチアンホテルのショッピングモールにその威勢堂々 たる姿を見た。Qualiaブランド、日本の店頭でも見ることができが、買える人 は一握り。 ■3.Consumer & Service/飛躍を狙う日本のアパレル、コスメティクス、デ パートアジアでブランド価値を持っているのは資生堂(4911)Y1,465、時価総 額:6,214億円、だが、同社をカバーしているセルサイドのアナリストには海 外ブランド化粧品愛好家が多い。”Their”「母親若しくはおばあちゃんが資 生堂を愛用」しているからか、また国内の収益が改善しないからか、高い評価 をつける人は少ない。ところが、海外の投資家からは、「割安」という見方も ある。例えば、Estee Lauder (ELEquity) $44.38, Market cap: $9,999 mil. 約1兆円の時価総額。EV/EBIDTAで見ると、ELが11倍、資生堂、リストラ費用を 除くと9倍程度、EL、Aramis, Origins,Clinique,などのブランドを持つが、中 国、香港では資生堂の人気は別格で、ブランド価値が高い。同じようにブラン ド力を育成中なのが、ワコール(3591)やワールド(3596)がブランド価値を 高めている。過去にも指摘したが、台湾の三越、上海の伊勢丹、「日本の店ば かり見ていると、投資価値を見逃し、美味しいところを外国人投資家に買われ てしまう」。ディオール(CD)はアジア限定版を出すと言う。 ■4:投資へのアイディア: ネタとしては昨年来指摘してきた銘柄群 Seven Eleven (SE) $23, 2004年の年間株価上昇率+44%を記録。ヨーカ堂が 67.4%保有、セブンイレブン・ジャパンが2.8%所有、時価総額が25億ドルにも 達している。同社の2003年のレポートを見ると、世界全体での店舗数は、20,012 店、日本:10,080店、約半分程度、台湾:3,470店、同市場のコンビニで約53% のシェアを握る、タイ:2,397店、韓国:1,277店、米国:489店、香港:484店、 メキシコ:421店、オーストラリア:308店、その他、欧州にも進出。世界のど このセブンイレブンに行っても、明るい店、整った商品陳列、店員の挨拶、サ ービスの良さは、マクドナルドと比べて遜色ない。寧ろサービス面では上回っ ていると思う。 ファミリーマート(8028)Taiwan Family Mart (5903 TT) のシェアが15%、 韓国でもFマートの看板は随所に見られるが、現地資本の出資比率が高く、直 接恩恵を得られる部分は少ないが、アジアでの認知度はという観点からは、今 後に期待できる可能性はある。 良品計画(7453)Y5,320、時価総額:1,493億円、PER(予):21倍、欧州進出 で苦戦したが、リストラが進み、英:14店、仏:6店、アイルランド:1店、ス ウェーデン:3店、イタリア:1店、米:1店、台湾:4店、シンガポール:2店、 香港:4店、アジアでの収益は早くもブレークイーブン水準にあり、アジア重 視の姿勢に期待したい。ロッテグループと組んで商品提供から始め、今後出店 も含めて検討している模様。 ファーストリテーリング(9983)Y7,130、時価総額:7,563億円、アジア進出 に力を入れる。ロッテグループと提携し、3年後に20‐30店開店する計画。同 社も良品と同様欧州での苦戦をバネにアジアに進出、米国での事業(情報収集 も兼ねていると思われる)、世界のカジュアル衣料事業に挑む。 モスフードサービス(8153)Y1,575、時価総額:504億円、日本国内:1,467店 (直営:144店、FC:1,323)、海外:120店、(台湾:102店、シンガポール: 17店、ハワイ:1)、韓国から台湾に頻繁に出張する同僚から「味、サービス」 は高くても受け入れられると太鼓判を押す。今後のアジア進出に期待したい。 三越(2779)Y533、台湾に8店、上海、香港に1店づつ、ドイツ(3店)やロン ドンにもあるが、アジアの華僑にとって「三越」や「そごう」は、日本の高級 ブランドイメージの一角と写る。これはフランスのプランタンも同様、既に 「旬の時期」は過ぎてパリジャンはそっぽを向いているものの、中国やアジア 圏からの旅行客にとって立ち寄るスポットである。三越の台湾の利益が前期2 倍になったが、アジアの消費(日本以上に貧富の差が明確で、階層別消費がは っきりしている)大国化の果実を収穫できるポジションにいる。日本の投資家 には理解し辛い。 三城(7455)Y2,585、時価総額:1,449億円、台湾:4店、香港:1店、中国: 約76件(毎回ホームページを見るたびに増えているようだ。1983年から中国の 天津にて協力関係を構築してきただけに中国での展開力は群を抜く。 日本のアパレルメーカー:これまでの生産拠点から販売拠点としての中国ワー ルド(3596)Y3,670、時価総額:1,912億円、若年女性向け「オゾック」を日 本、香港、台湾の百貨店に展開既に170店店舗に商品を卸している。 オンワード(8016)Y1,548、時価総額:2,676億円、2005年秋にアジア向け新 ブランドをたちあげ、100%出資の販売会社を設立する方針。 ■研究テーマ:マスコミの市場先見性 ライブドアの堀江氏の指摘する新しい経済紙の登場は必要である。日本には日 経新聞社グループと東洋経済の2つがメインだが、ハイテクから健康に至るま で日経グループがダントツで弊害も多い。当たり外れは誰しも経験することで あるが、明らかに市場タイミングを逸することも多々ある。週末に資料を整理 して出てきた雑誌。例えば、2004年3月15日付け「マンション大異変、出口のな い叩きうりが始まった」、過去52週間で見て、藤和不動産(8834)Y367、+77 %、住友不動産(8830)Y1,374、+26%、三井不動産(8801)+18%、ゴールド クレスト(8871)+26%。最近でこそ日経金融新聞の裏面のスクランブルには明 るい話題も出るようになったが、高い購読料を払って朝電車の中で「根拠なき 弱気論」は疲れる。恐らく書いている記者には、相場に対する警鐘とか、警戒 ということを書くことに生きがいを感じているのかもしれないが、「代行返上 に関する需給話」しかり、多くの日本の投資家が「チャンス」を逃したとも言 える。マスコミ批判をするつもりはないが、「奢り」を感じる。最近のライブ ドアの件も同様。もう少し前向きな議論を展開してもらいたいものである。あ るハイテク企業のエンジニアも「朝から自分の会社に関する憶測(観測)記事 が出て数日仕事にならない」と。国富、企業価値の破壊につながる行為は慎ん でもらいたい。対抗馬になる経済雑誌、新聞が登場することは望ましい。ちな みに今週の日経ビジネスのタイトル「その値上げは通らない−侮るな素材イン フレ」、結論は「素材インフレは2008年まで続くと見られる。略、コスト増を 吸収できなければ、素材高の波に企業は沈む。従来の手法にとらわれず、コス ト削減の発想自体を見直すしかない。」と結んでいる。コストが上昇している 中で、企業経営者が考えることは「どうコスト上昇を販売価格に転嫁するか」 だと思う。ボトルネックインフレの意味をもっと理解して書いてもらいたい。 マスコミと言う業界にも新風(異業種からの転向組、能力給で叩きあげられた 人材、市場を知り尽くした業界人)が必要だと思う。*毎年数十万円近く、日 経グループに支払い個人購読している読者の一人として一言くらい言わせても らってもよかろう。 最近、自動車、Capital Goodsの話題がThe Brokerで扱うことが減ったように 見えるが現在充電中。 (菊川半蔵)