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M&Aする企業、M&Aされる企業


   

◆コラム「M&Aする企業、M&Aされる企業」「億の近道」より

 日経平均の12000円台乗せを目前にして皆様の運用成果はいかがでしょ
うか?
 主力銘柄でも鉄鋼や海運といった業績好調組を持たれている方とハイテク銘
柄を持たれている方とでは成果に違いが出ているように思われます。
 また、このところは小型株より大型銘柄の方が堅調で小型銘柄に投資されて
いる方はやや停滞しているとの結果があろうかと思います。
 全面高には進まない二律背反の市場環境の中でこうした現象は致し方ないと
思いますが、私の読者の中にもいらいらが募ってきている方もお見えで一寸困
惑しております。

 さて、こうした現象もあと1ヶ月程度となってきたのかと思います。日経平
均が高値を抜けて、出遅れ銘柄を探そうとした時に小型株は出直ってくると考
えられます。
 市場を取り巻く環境や需給は依然として良好。この中でいかに効率よく稼ぐ
のか多くの投資家の関心を呼んでいると思いますが、いかがでしょうか?

 現在、マスコミ等ではライブドア社とフジテレビの問題が大変な話題となり、
どこに行ってもその話題で持ちきりとなっています。
 株に興味がなかった人々も、株式制度について高い関心を示すようになった
のは堀江社長(愛称:ホリエもん)の隠れた功績となるのかも知れません。
 週末はニッポン放送による新株引受権の発行差し止めでライブドア有利の見
方が有力となり、あの強気のフジテレビ日枝社長も話し合いをしようという姿
勢が見えてきたのですが、ポニーキャニオンをフジテレビに売却する話まで登
場し、さながら敵対的M&Aの教科書のような対処方法のオンラインで大いに
勉強になります。明日はキャスティングボードを握る村上ファンドの所有比率
が明らかになる日。26日の株主比率確定までの残りの日々がまた面白いこと
になりそうですからまだまだ目が離せません。とにかく皆さんとともに見守っ
ていくことにしましょう。

 さて、読者の多くは既に株式投資の世界で、かなりの経験を積まれておられ
るベテランの方が多いのかも知れませんが、今回の騒動をどのように捉えてお
られるのでしょうか?
 私としては少なくともこの事件をきっかけにして、上場企業であるならば株
主に負託に応えて企業価値を向上させる気運が高まると思いますし、その場合
はいかにして業績を上げるのかが最大の関心事となると考えます。

 業績を向上させる手法の一つは社内資源の活用、すなわち自助努力による売
上拡大、収益拡大でありますが、よりスピードを速めるためには自社内ではな
い他の企業の資源を活用するM&Aが有力な手段となりうることが、ますます
認識されることになるでしょう。

 外資に限らず国内の企業も今後より積極的に企業規模を拡大し企業価値すな
わち時価総額を拡大していくための手法としてM&Aを活用していくことにな
るのです。他の会社を買うM&Aという手法は悪いことだなどと考えている経
営者は、それがたとえ精神論や日本の文化論としては正しいとしても万国共通
の資本主義の基本システムである株式市場の現実に押し流されてしまう運命に
あるのです。

 投資家は自らが投資した企業の時価総額が拡大していくことで経営者といっ
しょに手を携えて保有し続けることができるのです(但し、この場合の投資家
は短期で、今日買った株を明日売るという投資家ではない)。

 今回、時同じくして西武鉄道株をめぐっての堤一族の問題がクローズアップ
されてきました。歴史上の人物である創業者の後継者が絶対に株式を他人に譲
らないという家訓を胸に、不正な形でグループ企業の株式保有を行い、株式市
場を裏切る行為をしていたことがようやく明らかになって、そんな愚かなこと
があるはずはないと思うような事が現実だったということに唖然としてしまい
ました。

 西武鉄道株についてはかつて私がコクドという持ち株会社が株を所有してい
てプレミアムがついていて株式価値以上に株価が形成されており、投資妙味は
ないというコメントをしておりましたが、ある意味企業価値を上回る株式時価
総額が維持できたのもそうした背景があったものと推察できます。

 そうした事例は今後も出てくるでしょう。私たちアナリストは各上場企業の
時価総額と現状の収益水準から見て割高なのか、割安なのかを判断しないとな
りません。
 これまでは現状の収益水準や2,3年後の収益見通しなどを見て判断すれば
よかったのですが、今後は各企業のM&A戦略による価値判断をしていかない
となりません。

 冒頭に掲げたM&Aをする企業とM&Aされる企業は、時にどちらにもなり
うることですが、市場での評価である時価総額をあらゆる企業にとって極大化
することが求められる時代となってきた中で、上場の意味をもう一度考えても
らいたいと思ってのタイトルなのです。

 M&Aは資金力のある企業であれば取りうる極めて有効な成長戦略の一つで
す。
 今回のように新興IT企業であるライブドアがオールドエコノミーである既
得権に守られたニッポン放送、ひいてはフジテレビを傘下に入れてしまう可能
性が出てきた今回の事件はセンセーショナルであるが、これからの日本では日
常茶飯事に起こる出来事として、先駆的事例となる程度の話となるのかも知れ
ない。

 さて、こうしたM&Aが株式相場の今後にとって重要な要素となる可能性
が出てきたことから、その関連企業を注目していくことは価値があろう。
 弊社のメルマガではこれまで多くのM&Aに関連銘柄を紹介して参りました。
上場企業であるならば、投資家からの負託を受けて時価総額を増やしていくこ
とが求められますので、収益拡大にとって重要な手段となるM&Aは今後も材
料視されることが多いと思われます。その場合、M&Aをしようとする企業の
時価総額が大きいか小さいかによって対象となる企業の規模も変わってきます
から、上場企業は時価総額を高める努力としてIRなどに注力することになり
ます。

 結果として投資家には時価総額の拡大によるかなり大きなリターンが得られ
ることになるでしょう。
 M&Aの案件を持ち、検討しても実際にM&Aにまで至るのかどうかは不透
明です。敵対的なM&Aよりも友好的な場合の方がチャンスは多いでしょうし、
シナジーを生むようなM&Aを実行することがM&Aを実行する企業の経営者
に求められています。

 M&Aする側の企業だけではなく、今後はM&Aされてしまいそうな企業へ
の投資もまだまだ妙味があるでしょう。

 私は数年前にユシロ化学(5013)株を500円前後で注目して雑誌にも
取り上げ、社長対談まで行ったことがあります。その時の経理部長に先日、あ
るM&Aセミナーの会場でばったりお会いしてあの当時は本当にPBRも低く
て割安だったのだということを再認識しました。その後、米系のスティールパ
ートナーズに株式を取得されて、高配当を要求され、株価が1600円前後ま
で急騰。その後も彼らは株式を買い増ししていて更に2200円以上へと上昇
している現実を、その部長はお話されておりましたが、彼らにとっては海外投
資家に企業価値を高めてもらったとの認識でしたし、この事件で良い経験をし
たとの認識で、他のキャッシュリッチ企業にとっても良い見本となる事例と言
えるでしょう。

 今後、株式市場ではM&Aする企業とM&Aされる企業とに分かれて株価が
それぞれの思惑で変動することになるでしょう。投資家はどちらの立場の企業
に投資する場合も経営者の考え方を吟味して、どの程度のリターンが得られる
のかの期待値を自分なりに描いておかないとなりません。

 企業にはステークホルダーという考え方があって、株主だけではなく従業員
や取引先のことも考えておかないとならないと言われますが、私としては、そ
の考え方は本格的な成熟した資本主義では無意味になるのではないかと思いま
す。従業員や取引先も株主として存在し、株主の一人として自己主張すること
が可能なのですから、自ら長期的な視点をその企業が成長することに協力して
株式を保有すれば良いのです。但し、従業員には十分な株式投資する資金がな
い場合も多いでしょうし、零細な取引先の場合は株式を保有しようとする余裕
がないことも事実です。

 そのために経営者はステークホルダーのためにストックオプションを用意し
て協力を呼びかけるのです。

 上場企業の経営者ならまずは株主価値を向上させるためにヒト、モノ、カネ
を効率的に配分して収益性を高めていかないとなりませんが、経営資源を企業
の外に求める経営手法を駆使することがすべてのステークホルダーのためにな
るのなら、大いに活用しないとなりませんし、その認識は株主にもきちんと説
明されていないとなりません。

 先日開催されたあるM&Aセミナーでは企業経営者を中心に約200名の参
加者があったようだが、そこで語られたことは企業防衛のための施策を日頃か
ら講じること。敵対的M&Aが今回はクローズアップされていますが、友好的
M&Aも今後は広がっていくと考えられるので、M&Aのイメージが良くなっ
てくれば仕掛けする企業も評価されやすくなるだろう。


【M&Aを仕掛ける企業】

 M&Aを積極的に行う構えを示している企業の株価は概ね堅調である。
以下は私が注目しているM&Aを実施して成長しようとしている企業である。

1)サイボウズ(4776・時価14.2万円)
 グループウェア最大手、グローバル展開を図る事業展開のスピードアップを
 図るために今期はM&Aを実施する意向である。時価総額の向上を図り、大
 型案件に挑戦のニュアンス。3月8日に説明会実施。

2)高速(7504・時価742円)
 東北の包装容器販売会社。業界再編の流れの中で淘汰されつつある業界の中
 で唯一の上場企業であるというメリットを享受してM&Aに注力。日本コン
 テック株のM&Aを実現。更なるM&Aで全国基盤を構築する考え。

3)メディカルシステムネットワーク(4350・時価49万円)
 後継者難に悩む調剤薬局のM&Aで成果。三井物産と提携して今後もM&A
 を進める意向。小規模なM&Aでも積み上げると大きなメリット。収益の黒
 字化も早い。時価総額は予想経常利益の10倍以下のレベルで推移。


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査しております。皆様にとってお役に立つ銘柄をご披露できるものと自負して
おりますので購読のお申し込みを賜れば幸いです。
(炎)